プレスリリースの日によせて|元NHKキャスターが一次審査員を務めて気づいたこと

10月28日は「プレスリリースの日」です。1906年のこの日、世界で初めてのプレスリリースがアメリカで発信されたことにちなんで制定されました。
プレスリリースの配信サービス「PR TIMES」を運営する株式会社PR TIMESは、10月28日に「プレスリリースアワード2026」の結果発表を予定しています。今年は4,000件を超える応募の中から、ベスト101と10の部門賞が選ばれます。
実はこのアワード、プレスリリースエバンジェリストである掛橋も今回、一次審査員として初めて携わりました。
「もったいない」発信と「取材したい」発信
一次審査は、4,000件を超えるプレスリリースを12名で審査しました。掛橋が担当したのは約350件。カフェにこもって、二次審査に推薦する応募記事を36件まで絞り込みました。

審査を始める前は、選別に迷うんじゃないかと思っていました。過去の授賞式で素晴らしい発信をたくさん見てきたからです。
ところが、いざ読み始めてみると戸惑いを覚えました。
AIがそのまま書いたような文章や、このエントリーのためだけに突貫で作成したような情報の少ないリリース、情報が不十分なものなど…。世の中をきっと良くするための活動をしているはずなのに、その全貌が伝わって来ず、「もったいないな」と感じる記事が多かったんです。
発信の手段の一つとしてプレスリリースの認知度は上がってきたけれど、「世の中への問題提起の仕方」や「課題解決の伝え方」は、もっと良くしていけるのではないか。
受け手が受け取りやすい形に書ける人は、想像していたより少ない現状を目の当たりにしました。
けれど、後半になるにつれて、時間をかけてつくられたことが伝わるものや、周辺の取材までしっかり行われているものが次々と出てきました。
「もったいないな、これは添削したいな」と思いながら読んだ記事もたくさんありましたが、同時に、もし私がまだNHKで取材を担当していたら「これは取材したい」と思わせてくれる発信にも数多く出会えました。
「価値」をどう見極めたか
PR TIMESから審査員に示された基準は、「価値を感じるリリースを選ぶ」というものでした。
抽象度の高い基準に迷いながら、ノートパソコンに付箋を貼って、「価値とは何か?」に向き合いました。

そのプレスリリースが、社会へ何を発信したか。
そのプレスリリースが、誰かの人生を変えるかもしれない。
悩んだ末にたどり着いたのは、「発信を続けていくことで、世の中がより良くなっていきそうな、そんな可能性や期待が持てるもの」が、発信の価値なのではないかということです。
実際、選んだ36件に共通していたのは「世の中を良くしたい」という思いが伝わってくる発信でした。発信活動をやめずに、これからもその活動を追い続けたいと思わせてくれるものが、評価に値する価値なのだと思います。
プレスリリースは、会社の存在を社会に届ける
そもそもプレスリリースとは、企業がメディアに向けて公式な発表を行う手段として生まれたものです。会社が何をしているのか、どんな商品やサービスを届けようとしているのかを、社会に向けて公にする「お便り」のような役割を担ってきました。
世の中をより良くしたいと思って会社を立ち上げたのなら、自分たちは何をやっているかを伝えていくことが必要です。どれだけ良い商品やサービスがあっても、知られていなければ存在しないのと同じだからです。
自社のホームページにお知らせを載せても、もともと会社の存在を知らない人には届きません。
けれどプレスリリースを通じてメディアに「これは報じる価値がある」と伝われば、取材を通じて事業のことも知ってもらえます。しかも、ターゲットを絞る広告と違って、自分たちが想定していなかった人々にまで届く可能性があります。
だから、とにかく自分たちで発信していくことが大事なんです。
良い発信は真似したっていい
無事に一次審査を終え、選ばれたプレスリリースは二次審査へとバトンが渡されました。受賞プレスリリースの発表は10月28日です。
私が思うのは、「良いものは、真似していい」ということです。
一から書き方を学ぶよりも、実際に評価された発信に数多く触れる方がたくさんの気づきを得られるはずです。
プレスリリースは、出して終わりのものではありません。発信を続けていくことそのものに価値があります。
私自身もプレスリリースエバンジェリストとして、HPでの発信やセミナーを通じてその価値を伝えていきます。実際に足を運んで伝えることで、事業者さんの行動につながると感じています。
10月28日の発表では、どんな発信に出会えるのか。私も楽しみにしています。
キャストリポートの広報PR支援
キャストリポートでは、プレスリリース作成はもちろん、メディアへのアプローチや取材対応、社内の広報担当者の育成・伴走まで、企業の状況や課題に合わせてご支援しています。
「プレスリリースを書いてみたいけれど、何を書けばいいかわからない」
「書いてみたけれど、これでいいのか添削してほしい」
そんな方は、ぜひお気軽にご相談ください。